SONKA 新しいパンのご紹介(1)

いよいよ寒さが厳しくなってきた折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
少しずつ変わっていく季節の中で、パンの発酵の様子も少しずつ変わっていきます。
ラジオのチューニングを合わせるように、地道な調整をする日々です。

年始に行った感謝セールで初めてお披露目した新しいパンも、毎日作り続け、試食を重ね、そして常連のお客様からご意見をいただき、微調整・マイナーチェンジを経て少しずつ進化しています。

今日は改めてそれらの新しいパンをご紹介します。

・ぶどうフランス

ぶどうフランス

普通、パン生地にドライフルーツを混ぜる時は生地のミキシング中にミキサーボウルの中へドバッとドライフルーツを投入して、機械の力で一気に混ぜ合わせるのですが、僕はミキシング中にはドライフルーツを混ぜず、捏ね上がった生地にドライフルーツを一つ一つ手で埋め込んでいます。レーズンは使う前に水で洗って、さらに漬け置きして水分をふくませた状態で使うのですが、水を吸った分柔らかくなっているので、ミキサーに入れると潰れることがあるのです。

レーズンの粒が残っていた方が見た目にもきれいだし、食感もいいので、時間も手間もかかりますが一粒ずつ手作業で行っています。これから生産量が増えて手作業で追いつかなくなった時はどうするか、、。その時はその時で考えます。

また、角型に入れて焼くとふっくら膨らんで美味しそうなのに加え、おだやかでありながら噛みごたえのある食感になるのも気に入っています。翌日には薄くスライス&トーストして食べるのも美味しいです。

・コーンフランス

コーンフランス

昔、とあるパン屋さんでコーンパンというものがあり、それ目当てに行列が出来るくらい人気だというので、「たかがとうもろこし入れたくらいで何だよ、、普通のパンだろ、、」と半信半疑で食べてみたら「あれ、、?ん、、なんだこれめちゃくちゃうめぇぞ!?」と唸った記憶が、あったようななかったような、まぁそれはいいとして、フランスパン生地でどこまでいけるかを試してみたかった、そんなパンです。
当初、お子様向けにお出ししていたプチフランスの延長線上にあります。かたいパンは食べられない、それでも当店にお越しくださる、そんな方の優しさに応えるべく生まれたパンです。
オーブンの中でクラスト(皮)が形成され始めるか否かの一瞬をねらって窯出しします。
一口かじるともっちりした生地が口の中いっぱいに広がり、やがてスッと溶けていきます。そしてコーンの甘味が静かに追いかけてきます。以前のプチフランスをはるかに上回るもっちり感は、コーンから出る水分によるものと、すこし大き目の生地量で焼くために水分が抜けきらずに残ることのおかげです。
また、当店のパンをお買い上げいただいた際は、フランスパンの品質保持のため(湿気ないように)通常は紙袋に入れてお渡ししていますが、このパンだけは別にビニール袋を用意してお渡ししています。あえて湿気がある状態で、水分を保たせたいからです。翌日にはトースターにかけても美味しいですが、このパンだけは電子レンジで20秒ほど温めるともっちりしてまた別の美味しさがあります。たった20秒で食感が戻ることから、時間のない朝にも向いているパンです。

SONKA 新しいパンのご紹介(2)へ続く